【小1算数】「くまさん軍団」と「うさぎさん部隊」で挑む、繰り上がりの大作戦!
今回は算数の「繰り上がり」です。
10までの足し算(3+2とか、5+4とか)は、何とか順調にクリアしてきました。「お風呂で100まで数える」というミッションもこなし、10より大きい数(15とか20とか)の概念も、なんとなく理解はしている様子。
「なんだ、算数なんて余裕じゃん!」 なんて、親子で高を括っていたのが間違いでした。
「8たす4は……?」
リビングのテーブルで、娘の鉛筆がピタッと止まりました。 小さな指を一生懸命折って数えようとしますが、指は10本しかありません。 「パパ、指が足りないよぅ……」 眉間にしわを寄せ、困り果てた顔で見上げてくる娘。
ここで「なんで分からないの?」と言うのは禁句です。 僕ら大人は当たり前に計算していますが、子供にとって「桁が変わる(位が上がる)」というのは、とてつもなく抽象的で難しい魔法のような出来事なんですよね。
よし、ここはパパの出番だ。 僕は娘の筆箱の横に、秘密兵器を召喚することにしました。
作戦開始:森のパーティー会場へようこそ
「じゃあ、今日は紙と鉛筆を一回置いて、パーティーをしよう!」 「え? パーティー?」
私が取り出したのは、またまた登場しました娘が小さい頃から大事にしている「くまの人形」と「うさぎの人形」たち。 我が家では、これらの人形も家族の一員なので、数えるときは「個」や「匹」ではなく、敬意を表して「人(にん)」と数えるのが鉄の掟です(笑)。
「いいかい? 今日は森の小さなおうちでパーティーがあります。まず、先にお家に入っているのは……このくまさんたちだ」
僕はテーブルの上に、くまの人形を8人並べました。
「くまさんは何人いる?」 「えーっと、いーち、にー……8人!」 「正解! そこへ、遅れてうさぎさんがやってきました」
今度は、うさぎの人形を4人、少し離れた場所に並べます。
「『ごめんくださーい!』って、うさぎさんが4人来たよ。さて、お家の中には全部で何人いることになるかな?」
娘は目の前の人形の群れを見て、指差し確認を始めました。 「1、2、3、4……」 8人のくまを数え終わり、そのままうさぎのカウントへ。 「……9、10、11、12! 12人!」
「正解! すごいね。でもさ、これだと毎回最初から数え直さないといけないから、大変じゃない?」 「うん、ちょっとめんどくさい」 「だよね。そこでパパから提案です。このお家には、『10人の部屋』っていう特別な部屋があるんだ」
ここからが、今日のハイライト。10のかたまりを作る」という概念のインストール作業です。
10人の部屋を満員にせよ!
「くまさんは今、8人います。この『10人の部屋』を満員にしてあげたいんだけど、あと何人お友達がくれば10人になるかな?」
娘は8人のくまを見つめ、自分の指を2本立てて確認しました。 「あと2人!」 「その通り! じゃあ、遅れてきたうさぎさんチームから、2人だけ先に入ってもらおうか」
僕は娘の手を取り、4人のうさぎの中から2人をピックアップさせて、8人のくまのグループに合流させました。
「よし、これで『10人の部屋』はどうなった?」 「満員になった!」 「そうだね。これで10人の大きなグループができた。じゃあ、お家の外に残っているうさぎさんは何人?」 「2人!」
ここですかさず畳み掛けます。
「ということは? 満員の10人と、残った2人。合わせると……?」 娘の目がパッと輝きました。 「あ! 10と2だから……12!」
「大正解!! 最初から1、2、3って数えなくても、『10を作ってから、残りを足す』と、すぐに分かるんだよ」
娘は「なるほど~!」と深く頷き、ニヤリと笑いました。 感覚的に「あ、これ便利かも」と気づいた瞬間です。
その後、何度かこの「人形劇」を繰り返しました。 「9+4」の時は、9人のくまに、うさぎから1人借りてきて10を作る。残りは3人だから13。 「7+5」の時は、7人のくまに、うさぎから3人借りてきて10を作る。残りは2人だから12。
実際に手を動かし、人形(人)を移動させることで、「数を分解して、移動させて、合成する」というプロセスが、理屈ではなく「体感」として娘の中に落ちていったようでした。
ドリルに戻って、魔法の実践
「よし、じゃあこの魔法を使って、ドリルの敵を倒しに行こう」
再び鉛筆を握り、計算ドリルに向き合います。 問題は『8 + 4』。 さっき人形劇でやったのと同じ問題です。
娘は、数字の『4』の下に、小さな線を引き始めました。 学校でも習い始めている「さくらんぼ計算」の要領です。
- まず、8を10にするために必要な数は「2」。
- だから、4を「2」と「2」に分ける。
- 8と片方の2で「10」に変身!
- 残った2と合わせて……「12」!
「できた!」 娘の鉛筆が、迷いなく答えを書き込みました。 その後も、7+6、9+5と、問題を解くたびに紙の隅っこで小さく「10」の丸を作りながら、スムーズに解き進めていきます。 さっきまでの「指が足りない」という半泣きの表情はどこへやら。 「10を作る」というルールさえ分かってしまえば、まるでパズルを解くように楽しそうです。
こうして、我が家の「繰り上がり大作戦」は、くまとうさぎの協力により、無事に成功を収めたのでした。
めでたし、めでたし……。
と、言いたいところですが。 育児も勉強も、そう簡単にはいきません。新たな「壁」は、すぐに現れました。
ぶつかった「暗算の壁」と、パパの迷い
数日後のこと。 お風呂上がりに、リラックスしながら娘とクイズ出し合いっこをしていました。
「じゃあ問題です。7たす6は?」
紙も鉛筆も、人形もありません。頭の中だけで計算する「暗算」です。 娘は天井を見上げ、瞬きを繰り返しました。 頭の中で必死に数字を操作しているのが分かります。
「えーっと……7に……えーっと……」
首を傾げ、視線が泳ぎます。 さっきまで紙の上ではあんなにスラスラできていたのに、頭の中だけで「6を3と3に分けて、7に3を足して10にして……」という工程をイメージするのは、想像以上に負荷が高いようです。 映像としての数字を保持しておくワーキングメモリが、まだ追いついていないのかもしれません。
「うーん……わかんない!」
娘は降参してしまいました。 「そっかー、頭の中だけでやるのは、まだ難しいか」 と慰めつつ、ふと僕は自分自身に問いかけました。
(待てよ……俺自身は、どうやってこれを計算してるんだ?)
「7+6」と聞かれた瞬間、私の脳内には瞬時に「13」という答えが浮かびます。 でも、そのプロセスは? 昔は娘のように「7に3を足して……」とやっていたはずです。 でも今は、いちいちそんな手順を踏んでいません。 「7+6」という映像を見た瞬間に、「13」という画像がリンクして出てくるような感覚。 九九のように、もはや「暗記」してしまっているのか? それとも、無意識レベルで超高速で10を作っているのか?
「パパはどうやって計算してるの?」 娘に聞かれて、僕は言葉に詰まってしまいました。
「えっ? パパはね……えーっと……気合い?」 「なにそれー!」
笑って誤魔化しましたが、これは由々しき事態です。 自分がどうやってそのスキルを習得したのか覚えていないため、娘にどう教えれば「暗算」ができるようになるのか、そのステップが見えないのです。
紙の上での計算(筆算的な思考)と、瞬発的な暗算。 この間には、まだ大きな川が流れているようです。
ひたすら反復練習して、組み合わせを「覚えてしまう」のが近道なのか。 それとも、頭の中に「ソロバン」のようなイメージを作るトレーニングが必要なのか。 あるいは、トランプなどを使って遊びながら瞬発力を鍛えるのがいいのか。
「繰り上がり」の理屈は理解できました。 でも、それを道具なしで自由に使いこなすには、まだ少し時間がかかりそうです。
子供の成長を見ていると、自分が当たり前にできていることが、実はとんでもなく高度な脳内処理の結果なんだと気づかされます。 自分がどうやって自転車に乗れるようになったか、言葉では説明できないのに似ていますね。
今のところ、娘には「焦らなくていいよ、紙に書いてできれば100点満点!」と伝えています。 でも、今後のために「楽しく暗算力がつく方法」を、パパとして真剣に模索していかなければなりません。
もし、パパ・ママの中で「うちはこうやって暗算をマスターしたよ!」という魔法のような方法や、「この遊びが効果的だった!」というアイデアをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントで教えてください。
とりあえず今夜は、またくまさんとうさぎさんを集めて、のんびりと「森の計算パーティー」の続きを楽しもうと思います。 焦らず、ゆっくり、娘のペースで。
ブログ記事の最後に「今日の特訓ドリル」として掲載できるような形式で作成しました。 そのままコピー&ペーストして使えます。
前半は基本的な「合わせて10を作る」練習、後半は少し数字が大きくなるもの、そして最後は「逆算」が必要なチャレンジ問題にしています。
【練習問題】くりあがり特訓ドリル(全10問)
今日のおさらいに、親子でチャレンジしてみてください。 全問正解できるかな?
第1問 9 + 3 =
第2問 8 + 5 =
第3問 7 + 4 =
第4問 6 + 5 =
第5問 8 + 8 =
第6問 3 + 9 =
第7問 5 + 7 =
第8問 4 + 8 =
第9問 7 + 9 =
第10問(スペシャル難問!) □ + 6 = 15 (□にはなにがはいるかな?)
【保護者の方へ:答えとヒント】
- 第1問:12(9はあと1で10)
- 第2問:13(8はあと2で10)
- 第3問:11(7はあと3で10)
- 第4問:11(6はあと4で10)
- 第5問:16(8はあと2で10)
- 第6問:12(9に3から1あげるのがコツ!)
- 第7問:12(5同士で10を作ってもOK)
- 第8問:12(4はあと6で10…だと難しいので、8を10にしよう!)
- 第9問:16(どちらを10にしても解けるね)
- 第10問:9
- 解説: これは「逆算」の練習です。「6とあわせて15になる数はなにかな?」と考えます。15から6を引くという引き算の予習にもなりますが、まずは「6に4を足したら10、そこからさらに5増えるから…4+5で9!」のように、10を通過点にして考えるとスムーズです。


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