【小1算数】「もう!なんで『さんほん』じゃないの!?」
リビングに、娘の投げやりな声が響きました。 算数の教科書を前に、彼は完全にフリーズしています。 単元は「10までのかず」。 その中でも難所とされる「数え方(助数詞)」です。
鉛筆、傘、バナナ……。 細長いものを数える「〜本」。 「いっぽん、にほん、さんぼん、よんほん……」 リズムはいいけれど、読み方がコロコロ変わるこのルールに、娘の忍耐力は限界を迎えていました。
そこで私は、50色の色鉛筆を取り出し、テーブルに並べました。 「ねえ、お勉強はやめて、この中から10本の色鉛筆選んで『海の生き物』と『動物』を描かない?」
これが、魔法の時間の始まりでした。
ステップ1:数える「準備」は、ワクワクから始まる
ただ数えるだけでは苦行です。 でも、「使う色を選ぶ」というミッションが加わると、子どもたちの目は輝き出します。 まずはルールを決めました。
ルール:
- 描きたいものを決める。
- 使う色鉛筆を、1本ずつ声に出して数えながら箱から出す。
- 描き終わったら、また1本ずつ数えながら片付ける。
1本から3本の「はじまりの生き物」
まず娘が選んだのは、「1本(いっぽん)」の青い色鉛筆。 描いたのは、深海に住む大きくて細長い「デンキウナギ」です。 「1本(いっぽん)のウナギ、ビリビリ〜!」 言いながら描くと、なぜか「いっぽん」という響きがキャラクターの一部のように定着していきます。
次は「2本(にほん)」。 赤とオレンジを使って、大きなハサミを持つ「カニ」を描きました。 「右のハサミで1本、左のハサミで2本!」 道具としての色鉛筆の数と、生き物のパーツがリンクし始めます。
そして、最初の難関「3本(さんぼん)」。 「これは『さんほん』じゃなくて『さんぼん』なんだよ」と教えると、娘は「濁点(゛)がついてて強そう!」と笑いました。 選んだのは緑、茶、黄色。 描いたのは、3本の首を持つウサギ。 「1本、2本、さんぼん…… 首がいっぱいだ!」
ステップ2:数の増量と、あふれる想像力
数が多くなるにつれ、お絵描きはどんどんダイナミックになっていきました。
4本から6本の「チーム・アニマル」
- 4本(よんほん): 柴犬。 足が「1、2、3、よんほん!」。
- 5本(ごほん): ヒトデ。 5本の腕をカラフルに彩ります。
- 6本(ろっぽん): ここでまた読み方が変わります。 「ろく」ではなく「ろっぽん」。 昆虫というヒントを与え、カブトムシを描きました。 「足が、1、2、3、4、5、ろっぽん!」
この頃には、娘は「次は何本使う?」と自ら聞いてくるようになりました。 数えることが「作業」ではなく、「描くための儀式」に変わった瞬間でした。
7本から9本の「カラフル・オーシャン」
- 7本(ななほん): 虹色を作れる色を渡して、のウロコを持つ不思議な魚。
- 8本(はっぽん): タコは8本だよと教えました。 「はっぽん、はっぽん」と口ずさみながら、8本の色鉛筆を扇形に並べて、タコの足を1本ずつ塗っていく姿は、まるで小さな芸術家でした。
- 9本(きゅうほん): 9本のしっぽを持つキツネ。九尾を教えて狐に尻尾を9本書いてもらいました。
ステップ3:ついに到達! 「10本(じゅっぽん)」のパレード
最後は、手元にあるすべての色鉛筆を使います。 「10本(じゅっぽん)」を使って娘が描いたのは、大きな大きな「サンゴ礁のパレード」でした。 クジラがいて、カメがいて、これまでに描いた生き物たちが全員集合した世界です。
1本ずつ箱に戻すとき、娘は自然にこう言いました。 「いっぽん、にほん、さんぼん、よんほん、ごほん、ろっぽん、ななほん、はっぽん、きゅうほん…… じゅっぽん! 全員、お家へ帰りました!」
まとめ:勉強は「遊び」のなかに隠れている
あんなに嫌がっていた「〜本」の数え方。 机に向かって復唱するだけでは5分で飽きていたはずが、お絵描きを交えることで、2時間近くも集中して「数」と向き合っていました。
今回の学びで気づいたのは、子どもにとって「数は、生きた手触りが必要」だということです。 色鉛筆を握る感覚、紙の上を走る音、そして自分が描いた生き物への愛着。 それらがセットになったとき、無機質な「算数のルール」は、忘れることのない「体験」へと変わります。
もし、あなたのお子さんが「数え方」でつまずいていたら、ぜひ色鉛筆を並べてみてください。 そこには、数字のパレードが待っているはずです。
【練習問題】ものの かぞえかた クイズ(10問)
下の もんだいを よんで、ただしい 読みかたを えらんでみよう!
(1)えんぴつが 1本 あります。
ア:いちほん
イ:いっぽん
ウ:いちぽん
(2)バナナが 2本 あります。
ア:にほん
イ:にぽん
ウ:にぼん
(3)かさが 3本 あります。
ア:さんほん
イ:さんぽん
ウ:さんぼん
(4)えんぴつが 6本 あります。
ア:ろくほん
イ:ろっぽん
ウ:ろくぽん
(5)おさらが 1枚(まい)あります。
ア:いちまい
イ:いっまい
ウ:ひとまい
(6)ねこが 1匹(ぴき)います。
ア:いちひき
イ:いっぴき
ウ:いちぴき
(7)ペットボトルが 8本 あります。
ア:はちほん
イ:はちぽん
ウ:はっぽん
(8)あめが 10個(こ)あります。
ア:じゅうこ
イ:じゅっこ
ウ:とおこ
(9)色えんぴつが 10本 あります。
ア:じゅうほん
イ:じゅっぽん
ウ:じゅうぼん
(10)「3本」と「6本」と「10本」、読みかたが「ぽん(ぼん)」になるのは どれかな?
ア:3本 だけ
イ:6本 と 10本
ウ:ぜんぶ(3本・6本・10本)
【こたえ】
ブログのさいごに のせてあげてね!
- イ:いっぽん(「1」は 小さい「つ」が 入るよ)
- ア:にほん(「2」は そのまま「ほん」だよ)
- ウ:さんぼん(「3」の つぎは てんてんが つくよ)
- イ:ろっぽん(「6」も 小さい「つ」が 入るよ)
- ア:いちまい(まい は 読みかたが かわらないよ)
- イ:いっぴき(どうぶつも 1は「いっ」に なるよ)
- ウ:はっぽん(「8」も 小さい「つ」が 入るよ)
- イ:じゅっこ(「10」も 小さい「つ」が 入るよ)
- イ:じゅっぽん(「10」も 小さい「つ」が 入るよ)
- ウ:ぜんぶ(3は「ぼん」、6と10は「ぽん」に なるよ)


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