「パパー、漢字の宿題一緒にやろう!」
ランドセルを勢いよく床に置き、満面の笑みで漢字ドリルを持ってきた小学1年生の娘。最近、少しずつ画数の多い漢字が登場し始めて、時折ノートの前でフリーズしていることもありました。でも、今日の娘はなんだかやる気に満ち溢れています。
「よし、パパに任せなさい!」
腕まくりをしてダイニングテーブルに向かい合う二人。今日のお題は「赤、耳、王、口、目」の5文字です。ただノートに何度も書き写すだけじゃ、小さな体には退屈になってしまいます。せっかくなら、全身を使って楽しく覚えようじゃないか。それが、我が家流の学習メソッドです。
「赤」:家の中は宝島!制限時間3分の探索ゲーム
まずは一つ目の漢字、「赤」。 「土を書いて、その下にチョン、チョン、チョン、チョンだね」と声をかけながら、一緒に空中に指で大きく書いて書き順を確認します。しっかり指が動くようになったところで、パパから特別ミッションの発動です。
「じゃあ、今から家の中にある『赤』を探してくること!制限時間は5分!」 「えー!わかった!」
タタタタッ!と元気な足音を立てて、娘がリビングや玄関、子ども部屋を駆け回ります。まるで宝探しゲーム。「あった!」「これも!」と嬉しそうな声が響き渡り、両手いっぱいに抱えて戻ってきたのは……。
「見てみて!毎日使ってる赤鉛筆でしょ、それから私のお気に入りの赤い靴!あっ、テレビのリモコンの赤ボタンも!それとね、冬に使う赤い手袋!」
テーブルの上には、見事な「赤」のコレクションがズラリと並びました。「よくこんなに見つけたね!」と頭を撫でると、娘はとても誇らしげな表情を浮かべました。「赤」という漢字は、きっと彼女の中でこの鮮やかなアイテムたちと共に、楽しい記憶として刻まれたはずです。
「耳」:触って納得!象形文字の面白さ
続いての漢字は「耳」。 こちらも書き順をしっかりなぞってから、「この漢字はね、本当の耳の形からできたんだよ」と教えてみました。すると「えー、嘘だ!」と目を丸くする娘。
「本当だよ。ほら、この一番上の線が耳のふちで、中の2本の線が耳の中のくぼみで……」 そう言いながら、お互いの耳を触り合いっこしてみました。
「パパの耳、大きくてふにゃふにゃしてる!」 「ほんとだ、娘ちゃんの耳は小さくて可愛いね」
くすぐったがりながら、二人で大笑い。耳の形を指でなぞりながら漢字の形を思い浮かべることで、昔の人が形から文字を作った「象形文字」の面白さを、肌で感じてくれたようです。
「王」:絵本の世界へ!リビングに誕生した小さな王様
三つ目は「王」。 「一、十、土、王」と、横線と縦線が組み合わさって少しずつ完成していくのを楽しみながら書き順をクリア。「王様って偉い人だよね?」と聞く娘に、「そうだね。じゃあ、今日はこの絵本を読んでみようか」と本棚から持ってきたのは、名作『王様の耳はロバの耳』。
「あ!さっきお勉強した『耳』も出てきた!」と、タイトルを見てすぐに気づくあたりはさすがです。二人で王様と床屋さんの役になりきって、少し大げさに声色を変えて読み聞かせをしました。
「王様の頭に乗っているキラキラした冠、あれは『王冠(おうかん)』って言うんだけど、そこにもこの『王』っていう漢字が入るんだよ」と教えると、娘は自分の頭に両手で丸を作って乗せ、「私が王様だ!えっへん!」と胸を張りました。リビングに可愛らしい小さな王様が誕生した瞬間です。
「口」と「目」:にらめっこで大発見!?
最後は「口」と「目」です。 「口は三画、目は五画だね」と空中で書き順をなぞった後は、これはもう、顔を見合わせるしかありません。
「パパの口、あーん」 「今度は目を見開いて、にらめっこ!」
変顔大会に発展しそうになりながらも、しっかりとお互いの顔のパーツを確認します。すると、ひとしきり笑った後で、娘がふと真顔になって言いました。
「ねえパパ、今日お勉強した『目』と『耳』と『口』って、全部顔の中にあるね!」
娘のその一言に、私は思わずハッとさせられました。ただバラバラの漢字として覚えるのではなく、「顔のパーツ」というグループで関連付けて理解していたのです。 「すごい大発見だ!全部大切な体の一部だね。目で見たり、耳で聞いたり、口でお話ししたりするからね」と褒めると、娘は今日一番のドヤ顔を見せてくれました。
おわりに:五感で覚える、我が家流の漢字学習
漢字学習と聞くと、机に向かって黙々とドリルをこなす姿を想像しがちです。もちろん何度も書いて覚える反復練習も大切ですが、まだ1年生。言葉は、生活や遊びの中にある生きたものです。
身の回りのものを探したり、絵本の物語と結びつけたり、お互いの温かい肌に触れ合ったり。五感をフルに使って学んだ今日の漢字たちは、きっと娘の心のノートに深く、そして何より「楽しいもの」として書き込まれたことでしょう。
「明日の宿題は何かな?またパパと一緒にやろうね!」
ドリルを綺麗にランドセルにしまう娘の弾むような声を聞きながら、これからも体と心を使った楽しい学習を一緒に続けていこうと、そっと心に誓うパパでした。
【れんしゅうもんだい】
①〜⑤は、「 」の ひらがなを かんじに してね。
もんだい1: 「あか」い くつを はく。 こたえ:( )い
もんだい2: うさぎの 「みみ」は ながい。 こたえ:( )
もんだい3: えほんの 「おう」さま。 こたえ:( )さま
もんだい4: 大きな 「くち」を あける。 こたえ:( )
もんだい5: 「め」を あけて よく 見る。 こたえ:( )
⑥〜⑩は、ただしい ものを えらんでね。
もんだい6: 「赤」の かんじは、なんかく(なんかいで かく)かな? ① 5かく ② 6かく ③ 7かく
もんだい7: 「耳」の かんじは、なんかく かな? ① 4かく ② 5かく ③ 6かく
もんだい8: 「王」の かんじは、なんかく かな? ① 3かく ② 4かく ③ 5かく
もんだい9: 「口」の かんじは、なんの かたちから できた かな? ① くちの かたち ② まどの かたち ③ はこの かたち
もんだい10: かおの 中に ある ものは、どれ かな?(こたえは 3つ あるよ!) ① 赤 ② 耳 ③ 王 ④ 口 ⑤ 目
【こたえ】
こたえ1:赤い(あかい) こたえ2:耳(みみ) こたえ3:王さま(おうさま) こたえ4:大きな 口(くち) こたえ5:目(め)を あけて よく 見る
こたえ6:③ 7かく(土をかいてから、下はチョンチョン…だね!) こたえ7:③ 6かく(中の2本の線をわすれずに!) こたえ8:② 4かく(一、十、土、王!) こたえ9:① くちの かたち(おおきく あけた くちの かたちだよ) こたえ10:② 耳、④ 口、⑤ 目(ぜんぶ かおの 中に あったね!)


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