「1回なら跳べるのに、2回目、3回目になると引っかかる」
「何回か跳ぶと、すぐに疲れてしまう」
縄跳びを練習している子どもを見ていると、こんな場面はありませんか?
我が家の小学2年生の娘も、まさにここで苦戦しました。
縄を1回跳び越えることはできるようになった。
でも、連続で跳ぼうとするとリズムが続かない。
そこで最初は、
「縄とジャンプのタイミングを合わせる練習をしよう」
と考えました。
ところが、縄をいったん置いてジャンプだけをさせてみると、別の問題が見えてきました。
娘は、毎回ほぼ全力で高く跳んでいたのです。
今回は、縄跳び練習の中でも我が家が苦戦した、
「連続ジャンプ」と「縄とのタイミング」
について、親子で試行錯誤した様子を紹介します。
結論からいうと、娘の場合は、
縄跳びを何度も繰り返すより、一度縄を置いて「軽く連続して跳ぶ練習」に戻ったことが転機になりました。
ただし、これはすべての子どもに当てはまる「正解」ではありません。
一つの実体験として、参考になる部分だけ使ってもらえればと思います。
1回は跳べる。でも連続になるとタイミングが合わない
縄跳びは、一見すると「ジャンプするだけ」の運動に見えます。
でも実際には、
縄を回す。
縄が足元に近づく。
タイミングを合わせて跳ぶ。
着地して、また次の縄に備える。
これらを繰り返さなければなりません。
研究でも、縄跳びは上肢と下肢を組み合わせて行う協調性の高い運動として扱われています。
つまり、
「ジャンプはできる」=「縄跳びもできる」
とは限らないんですね。
我が家でも、最初はこの「縄とジャンプを同時に行うこと」が難しいのかな、と考えました。
そこで一度、縄をなくしてみることにしました。
「まず手拍子に合わせて跳んでみよう」
パパ:
「次はリズムよく跳ぶ練習をしてみようか。縄は置いて、パパの手拍子に合わせてジャンプしてみよう」
パン!
パン!
パン!
すると娘は、
娘:
「ふんっ!……ふんっ!……はぁ、はぁ……」
数回跳んだだけなのに、なかなか大変そうです。
そして、
娘:
「たくさん跳ぶの疲れるし、とんとんってジャンプできない」
ここで、一度練習を止めました。
見ると娘は、
1回1回、かなり高く全力でジャンプしていたのです。
私としては「同じリズムで軽くジャンプしてみよう」と伝えたつもりでした。
でも娘にとっては、
「ジャンプする=できるだけ高く跳ぶ」
になっていたのかもしれません。
手拍子よりジャンプの方が大きくなり、着地して次のジャンプに移るまでにも時間がかかっていました。
そこで少し休憩することにしました。
理学療法士として見直すと「高く跳びすぎている」ことが気になった
ここで、理学療法士として改めて娘の動きを見てみました。
実際に見えていたのは、
「高く跳んでいる」
「膝を大きく曲げている」
「着地してから次に跳ぶまで時間がかかっている」
「何回か跳ぶと疲れている」
という動きです。
もちろん、この動きだけを見て、
「膝を曲げすぎていることが、縄跳びが続かない原因だ」
とは言えません。
縄跳びが続かない理由には、縄の回し方、縄の長さ、リズム、着地、慣れなど、いろいろな要素が考えられます。
ただ、娘の場合は、
「必要以上に高く跳んでいることも、連続ジャンプが続きにくい一因ではないか?」
と私は考えました。
そこで、練習方法を変えてみることにしました。
「膝を○度曲げて」では伝わらない。ボールみたいにポンポン跳んでみる
最初は私も、
「膝を曲げすぎないようにして」
「足首も使って」
と説明しようとしました。
でも、考えてみれば小学2年生にそんな説明をしても分かりにくいですよね。
そこで、自分で見本を見せました。
大きくしゃがみ込まず、
ポン、ポン、ポン。
その場でボールが弾むようなイメージで、小さく連続して跳びます。
パパ:
「高く跳ばなくていいよ。ボールみたいに、ポン、ポンって跳んでみようか」
すると娘も、
ポン。
ポン。
ポン。
先ほどより小さなジャンプになってきました。
娘:
「あ、ほんとだ。強く跳ばなければ、さっきより疲れない!」
この言葉を聞いて、
「そうそう。今はこっちの方が続けやすそう」
と感じました。
子どもの運動学習については、身体の各部位を細かく説明するだけでなく、見本やイメージを使った指示が役立つ可能性が報告されています。
縄跳びを使った小規模な研究でも、細かな身体の説明だけではなく、比喩を使った指導で学習した子どもたちに良好な結果がみられています。
ただし、子どもへの最適な教え方についてはまだ研究上の限界もあり、すべての子に同じ声かけが合うわけではありません。
我が家では、
「膝をこう動かして」より、「ボールみたいにポンポン」
の方が伝わりやすかった、という結果でした。

縄跳びは「足首だけ」で跳んでいるわけではない
ここで少し、運動学の話です。
ジャンプするときには、股関節・膝関節・足関節など、下半身の複数の関節が協調して働きます。
そのため、
「縄跳びは足首のバネだけで跳ぶ」
と考えるのは少し単純すぎます。
子どもの連続ジャンプに近いホッピング運動を調べた研究でも、子どもでは足関節だけでなく膝関節も重要な役割を担い、成人とは関節の使い方が異なる可能性が報告されています。
つまり、
「足首を使えば正解」
「膝を曲げたらダメ」
という話ではありません。
娘の場合に目指したのは、
高く跳ぶことではなく、次のジャンプにつながりやすい小さな動きを繰り返すこと。
これだけです。
実際、熟練した縄跳び選手を調べた研究では、テンポが速くなるほど身体の上下動や下肢関節の動きが小さくなる傾向が報告されています。
もちろん、熟練選手と小学2年生の初心者をそのまま比較することはできません。
それでも、
「連続縄跳びでは、毎回できるだけ高く跳ぶ必要はない」
と考える参考にはなります。
小さく連続して跳べるようになったところで、もう一度縄を戻した
縄なしで、
ポン、ポン、ポン。
と続けて跳べるようになってきたところで、もう一度縄を持ってみました。
すると娘の場合は、先ほどよりも縄とジャンプのタイミングを合わせやすそうでした。
いきなり完璧になったわけではありません。
引っかかることもあります。
それでも、
「全力で1回跳ぶ→着地して止まる」
という動きから、
「小さく跳ぶ→着地する→また跳ぶ」
という連続した動きに変わってきました。
結果として、我が家では縄跳びのステップを進めることができました。
ここで大切なのは、
「低く跳べば必ず縄跳びができる」わけではない
ということです。
あくまで娘の場合は、高すぎるジャンプが一つの気になるポイントだった。
だから、そこだけを取り出して練習してみた。
その結果、続けやすくなった。
私は、この順番で考えるようにしています。
縄跳びが続かないときは「全部まとめて練習しない」のも一つ
今回、改めて感じたのは、
縄跳びそのものを繰り返すだけが練習ではない
ということでした。
縄跳びには、
縄を回すこと。
ジャンプすること。
着地すること。
縄の位置とジャンプを合わせること。
一定のリズムで繰り返すこと。
など、いくつもの要素があります。
そのため、
「縄を持つと急にできなくなる」
のであれば、ジャンプだけ。
「ジャンプはできるけど縄がうまく回らない」
のであれば、縄回しだけ。
「1回はできるけど続かない」
のであれば、連続ジャンプやリズムだけ。
というように、苦手そうな部分を一度切り離してみる方法があります。
縄跳びを四肢の協調課題として調べた研究でも、ジャンプ能力だけでなく、縄を回す上肢の動きがパフォーマンスと関係していました。
だからこそ、
「跳べない=ジャンプ力がない」
と決めつけず、
どこで動きが止まっているのかな?
と観察してみることが大切だと思います。
脳も関わっている。でも「○○脳だから」と決めつけない
縄跳びでは、縄の動きを見たり感じたりしながら、次の動きを予測して身体を動かします。
こうした運動の準備やタイミング調整には、大脳皮質や小脳を含む複数の神経系が関係しています。
小脳も、運動の予測やタイミング、運動学習に関わることが研究されています。
ただし、
「大脳皮質が命令して、小脳が縄跳びのタイミングを決めている」
というほど単純ではありません。
身体を動かす仕組みは、いろいろな脳領域や感覚、脊髄などが関わるネットワークです。
ですから、
「縄跳びが苦手だから小脳の働きが弱い」
などと考える必要はありません。
この記事で脳の話をする目的は、子どもの苦手さに名前を付けることではなく、
「一度にいろいろなことをする運動だから、難しくても不思議ではない」
と理解するためです。
家庭で試すなら「どこで困っているか」を一つだけ見る
縄跳びがうまくいかないと、親としてはつい、
「もっと手首で回して!」
「もっと前を見て!」
「膝を曲げすぎ!」
「もっとリズムよく!」
と、一度にいろいろ言いたくなります。
私も理学療法士だからこそ、動きを見れば見るほど言いたいことが増えます。
でも、子どもからすると全部を一度に直すのは大変です。
今回の娘なら、最初に見るポイントは一つ。
「縄を持たなくても、軽い連続ジャンプができるかな?」
でした。
そこができるようになったら縄を戻す。
それでも難しければ、今度は縄の回し方を見る。
そんなふうに、一つずつ試す方が親子ともに混乱しにくいと感じています。
ステップ通りに進まなくても大丈夫
我が家では「縄跳び5ステップ」として練習していますが、すべての子どもがステップ1から順番に進む必要はありません。
ジャンプが得意でも縄回しが苦手な子。
縄は上手に回せても、タイミングが難しい子。
連続跳びはできても、すぐ疲れる子。
困るところは一人ひとり違います。
だから、
「できないステップから戻る」のではなく、「今困っている動きだけ取り出して遊んでみる」
くらいでもよいのではないでしょうか。
まとめ|「もっと頑張って」より、一度動きを分けてみる
娘が連続縄跳びで苦戦したとき、最初は「縄とのタイミングの問題かな?」と思っていました。
でも縄を置いてみると、
そもそも連続ジャンプ自体を全力で行っていた
ことが分かりました。
そこで、
縄を置く。
手拍子に合わせて跳ぶ。
高すぎるジャンプに気づく。
「ボールみたいにポンポン」と見本を見せる。
小さな連続ジャンプが続くようになる。
もう一度縄を持つ。
と、練習を一度分解しました。
娘の場合は、それが連続縄跳びにつながりました。
うまくいかない理由は、「体の使い方」だけとは限りません。
縄の回し方、道具、タイミング、疲れ、経験、怖さ、その日の気分など、いろいろな要素があります。
だからこそ、
「なんでできないの?」ではなく、「どこから難しくなっているんだろう?」
と親子で一緒に探してみる。
理学療法士として身体を見ることはできますが、子どもの答えを最初から知っているわけではありません。
実際に動きを見て、試して、失敗して、少し変えてみる。
我が家では、そんな時間そのものが運動を楽しむきっかけの一つになっています。

練習するときの注意
縄跳びは、周囲に縄が当たらない十分なスペースを確保し、平らで滑りにくい場所で行ってください。
疲れてきたときや痛みがあるときは、無理に続けず休憩しましょう。
ジャンプを小さくした次に気になったのが、ドスンという着地音でした


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