こんにちは!
「理学療法士パパの子ども運動教室」へようこそ。
小学2年生の娘と、自転車や縄跳びなどを一緒に練習しながら、「どうしたらできる?」「どうしたら楽しくなる?」を考えている理学療法士パパです。
自転車にもだいぶ慣れてきた娘。
ところが、自転車に乗る技術とは別のところで、ある問題が起こりました。
「お父さん、ヘルメット、ごわごわして頭がかゆくなるから嫌い!今日はつけなくていい?」
さらに自転車を降りれば、
「すぐ戻ってくるんだから、鍵かけなくてもよくない?」
自転車には乗りたい。
でも、ヘルメットと鍵は面倒。
今回はそんな娘と、わが家なりの「自転車の安全ルール」を作っていった話です。
結論から言うと、わが家では、
嫌がる理由にはいったん耳を傾ける。でも、安全に関わるルールそのものは変えない。
この2つを分けて考えたことで、娘の反応が少しずつ変わりました。
「ヘルメットが嫌!」最初は“面倒なだけ”だと思った
自転車に乗る準備をしていたときのことです。
娘がヘルメットを持ったまま、嫌そうな顔で言いました。
「ごわごわして頭がかゆくなるから嫌。今日はつけなくていい?」
その瞬間の私は、
「また面倒くさがってるな」
くらいに考えていました。
そして親としては、
「危ないからダメ。自転車に乗るならヘルメット!」
と言いたくなります。
実際、ここはわが家でも譲らないルールです。
日本では2023年4月から、すべての自転車利用者についてヘルメット着用が努力義務となっています。
警察庁によると、自転車乗用中の交通事故で亡くなった人は約5割が頭部に致命傷を負っており、2021~2025年のデータでは、主に頭部を負傷した死者・重傷者でみると、ヘルメット非着用者の割合は着用者の約1.7倍でした。
研究でも、自転車ヘルメットの着用は頭部外傷や重症頭部外傷の減少と関連しています。
だから、
「嫌なら今日はかぶらなくていいよ」
にはしませんでした。
ただ、あとから考えると、私は一つ大事なことを飛ばしていました。
娘は「面倒」と言ったのではなく、
「ごわごわする」「かゆい」
と言っていたんです。
「かゆい」はわがままではなく、本当に不快なのかもしれない
理学療法士として仕事をしていると、
「この動きを嫌がるから、やる気がない」
と決めつける前に、
「痛いのかな?」
「やりにくいのかな?」
「姿勢や道具が合っていないのかな?」
と考えることがあります。
それなのに、わが子のことになると、
「また面倒くさがってる」
と一瞬で判断していました。
親になると、難しいですね。
調べてみると、子どもが自転車ヘルメットを使いたがらない理由として、フィット不良や身体的な不快感が挙げられた研究もあります。
つまり、
「ヘルメットが嫌」=「わがまま」
とは限りません。
そこで改めて、
- サイズは合っているか
- 頭の一部分だけ強く当たっていないか
- あごひもがきつすぎないか
- 髪の毛が引っ掛かっていないか
- 暑さや蒸れが強くないか
などを見ることにしました。
これは「嫌なら外す」という意味ではありません。
安全ルールは守りながら、嫌がっている原因を減らせないか考える。
この順番が大事なのだと思います。
消費者庁も、自転車用ヘルメットはSGマークやJCFマークなど安全基準を示すマークのあるものを選び、できるだけ試着して頭に合ったものを選ぶよう勧めています。
さらに、前後が水平になるようにかぶり、あごひもは指が1~2本入る程度に調整することなどを案内しています。
子どもが嫌がるときは、気持ちの問題だけでなく、まず道具側も確認してみる価値がありそうです。
PTとして頭のけがを見てきたから、ここだけは譲りたくなかった
一方で、私は理学療法士として、交通事故などのあとにリハビリが必要になった方と関わることがあります。
もちろん、事故の状況やけがの程度は一人ひとり違います。
ただ、頭や脳への大きなけがによって、体を動かすことだけでなく、考えることや話すことなど、日常生活のさまざまな部分に影響が残る場合があります。
だから、娘を怖がらせたいわけではありませんが、
「ヘルメットくらい別にいいか」
とも思えませんでした。
そこで娘には、難しい医学用語ではなく、娘がイメージできる言葉で話しました。
「ごわごわして嫌なんだね。それは分かったよ」
「でもね、頭を強くぶつけて脳が大きなけがをすると、体を動かしたり、考えたり、話したりすることに影響が出ることもあるんだ」
「ヘルメットは全部のけがを絶対に防いでくれるわけじゃない。でも、頭を守って、大きなけがのリスクを減らしてくれる“盾”みたいなものなんだよ」
すると娘が、
「……手足が動かなくなったら、一輪車もできなくなっちゃう?」
と聞いてきました。
「そういう大きなけがをすることもある。だから、お父さんは頭を守ってほしいんだ」
少し間があって、娘はヘルメットを持ち上げました。
「じゃあ、私の最強の盾としてかぶってあげる!」
カチッ。
よし……!
心の中では、ちょっとガッツポーズです。

大事だったのは「怖がらせる」より、自分の生活につなげることだった
ここで一つ注意したいのは、
この声かけをすれば、どの子でもヘルメットをかぶるようになる
という話ではありません。
子どもによって、
- 不快感
- 見た目
- 暑さ
- 周囲の友達
- その日の気分
- 親子のやり取り
など、嫌がる理由はさまざまだと思います。
わが家の場合は、
「事故に遭うと大変だから」
という大人の言葉より、
「大好きな一輪車や運動を続けるために頭を守る」
と、娘自身の生活につながったことで、少し納得しやすくなったように見えました。
これはあくまで私が娘の反応を見て感じたことです。
でも、
大人が伝えたい安全の話を、その子がイメージしやすい言葉に変えてみる
という方法は、一度試してみてもよいかもしれません。
次に出てきたのが「鍵かけるの面倒!」
ヘルメット問題を乗り越えたと思ったら、次は鍵です。
自転車を止めた直後、娘が言いました。
「ねえ、すぐ戻ってくるんだから、鍵かけなくてよくない?」
分かる。
大人でも「ちょっとだけだし」と思いそうになります。
でも、自転車は短時間離れる場合でも施錠することが大切です。
自治体や警察も、コンビニなどでほんの少し自転車から離れる場合でも鍵をかけるよう呼びかけています。
そこで今度は、
「盗まれるから鍵しなさい!」
だけではなく、娘にこう話しました。
「この自転車、娘ちゃんの大事なものだよね?」
「うん」
「世の中には優しい人がたくさんいるけど、人の自転車を持っていってしまう人もいるんだ」
「だから、自分の大事なものを守るために“バリア”を張る。それが鍵なんだよ」
娘は少し考えたあと、
「持っていかれたら泣く……」
そして鍵をガチャリ。
「バリアオン!」
今度はこちらが笑ってしまいました。

「鍵=自立」とまでは言えない。でも、小さな安全習慣にはできる
最初の私は、
「自転車の鍵を自分でかける習慣が、将来の家の戸締まりなどにもつながるかもしれない」
と考えていました。
ただ、これは私の仮説です。
自転車の鍵をかけるようになったから、将来の防犯意識や自立につながる、と科学的に言い切ることはできません。
それでも、
「自分の大切なものを使ったあと、自分で確認する」
という経験の一つにはなるかもしれません。
わが家では、
ヘルメット=「盾」
鍵=「バリア」
という娘が覚えやすい言葉ができました。
しばらくすると、私が言わなくても……
最初は、
「ヘルメット嫌!」
「鍵めんどくさい!」
だった娘。
今では自転車から降りると、
「バリアオーン!」
と言いながら自分で鍵をかけることがあります。
ヘルメットも、
「私の盾、今日もよろしく!」
と自分から持ってくるようになりました。
もちろん、これから成長して、
「今日は面倒」
「みんなかぶってない」
と言う日が来るかもしれません。
安全習慣は、一度説明して終わりではないのでしょう。
そのたびに、
「ルールだから!」
だけで終わらせず、
なぜ必要なのかを、その時の娘ともう一度考える。
そんな関わりを続けていけたらと思っています。
子どもがヘルメットを嫌がったら、わが家ならこの順番で考えます
もし今、子どもが「ヘルメット嫌!」と言っているなら、わが家では次の順番で考えます。
- まず「嫌なんだね」と理由を聞く
- 痛い・かゆい・暑い・重いなどの不快感がないか確認する
- サイズ、フィット、あごひも、かぶり方を確認する
- 「乗るならヘルメット」という安全ルールは変えない
- なぜ必要なのかを、その子がイメージできる言葉で説明する
- 親自身も安全行動を見せる
大切なのは、
「気持ちを受け止めること」と「安全ルールをなくすこと」は別
だということだと思います。
嫌だという気持ちは聞く。
でも、危険を減らすために必要なことは大人が守る。
そのうえで、
「どうしたら嫌じゃなくなる?」
を一緒に探す。
これは自転車だけでなく、これから娘といろいろな運動やスポーツをしていく中でも、大切にしていきたい考え方です。
ヘルメットは「魔法の盾」ではない
最後にもう一つ。
わが家ではヘルメットを「盾」と呼んでいますが、本当に何でも守ってくれる魔法の盾ではありません。
ヘルメットをかぶっていても事故を完全に防ぐことはできません。
信号を見る。
周囲を見る。
スピードを出しすぎない。
歩行者を優先する。
危険な場所では降りる。
こうした行動とヘルメットはセットです。
自転車に乗れるようになることがゴールではなく、
安全に乗って、楽しく帰ってくるところまでが自転車の練習。
自転車の技術と一緒に、そんなことも娘と少しずつ覚えていけたらと思っています。
皆さんのお子さんは、ヘルメットや自転車のルールを嫌がることはありますか?
わが家もまだまだ試行錯誤中です。
親子で失敗しながら、一緒に「安全に楽しめる方法」を探していきましょう。


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