子どもが自転車で5分で疲れる?鬼ごっこを1か月続けた親子の記録

自転車

「いつもの公園と違って大きくてずっと走れるね」

自転車の公道デビューを終えた娘と、近くの運動公園へ出かけました。

その運動公園にはサイクリングロードがあり、いつもの公園よりも長い距離を走ることができます。

「景色が良いし、信号がなくてずっと進めるー」

走り出した娘も楽しそうです。

ところが、5分ほど続けてこいだところで、こんな言葉が出ました。

「はあ、はあ、自転車で走るの思ったより疲れる…」

あれ?

自転車には乗れるようになったし、公道も走れるようになった。

でも、長くこぎ続ける体力については、あまり考えていませんでした。

私は病院で働く理学療法士で、2人の子どもの父親です。

今回は、娘が自転車で疲れてしまった経験から、鬼ごっこを利用した体力づくりを1か月試し、再び運動公園で走ってみた親子の記録を紹介します。

自転車に乗れるようになった娘と運動公園へ

これまで娘とは、近所の公園で自転車の練習をしたり、実際に公道を走ったりしてきました。

公道では、信号や交差点、段差など、いろいろなことに気を配る必要があります。

一方、今回訪れた運動公園には、長く走れるサイクリングロードがあります。

娘も到着すると、

「いつもの公園と違って大きくてずっと走れるね」

と一言。

走り出してからも、

「景色が良いし、信号がなくてずっと進めるー」

と話していました。

これまでとは違う景色の中で、長い距離を走れることが新鮮だったようです。

私も今回は、娘の体力づくりにつながればと考えていました。

しかし、そこで予想していなかった課題が見えてきました。

自転車の乗り方10ステップ

5分ほど走ったところで「思ったより疲れる…」

走り始めて5分ほどが経過した頃です。

「はあ、はあ、自転車で走るの思ったより疲れる…」

娘が息を弾ませながら話しました。

よく考えてみると、これまでの自転車練習には、休憩できる場面がたくさんありました。

近所の公園では、短い距離を走って止まる。

公道では、信号で止まる。

つまり、自転車に乗る経験は増えていても、止まらずにこぎ続ける経験は少なかったのです。

自転車に乗る技術が身についてきたことと、長時間こぎ続ける体力がついていることは、必ずしも同じではありません。

そこで娘には、

「休憩しながら自転車をこいで、疲れたら他のことで遊ぼうか」

と声をかけました。

無理に距離を延ばすより、まずは自転車を楽しく続けられることを大切にしたかったからです。

理学療法士パパとして考えた「5分で疲れた理由」

① 自転車の操作と持久力は別の能力

自転車に乗るためには、バランスを保つ、ペダルをこぐ、進行方向を確認するなど、さまざまな動作が必要です。

こうした動作は、繰り返し経験することで少しずつ慣れていきます。

一方、長く走るためには、脚を繰り返し動かす能力だけでなく、呼吸や循環の働きも関係します。

これは全身持久力と呼ばれる能力です。

簡単にいうと、身体を動かすために必要な酸素を取り込み、筋肉へ運びながら、運動を続ける力のことです。

娘の場合、自転車に乗る操作には慣れてきましたが、連続してこぐ経験はまだ十分ではなかった可能性があります。

② 信号で止まることが休憩にもなっていた

公道では、信号で停止する時間があります。

安全のために必要な停止ですが、身体にとってはペダルをこぐ負担が一時的に減る時間でもあります。

運動公園では、信号による停止がなく、こぎ続ける場面が増えました。

この環境の違いが、娘の疲労感につながった可能性があります。

ただし、疲れやすさには走行速度、坂道、風、気温、自転車の状態なども関係します。

今回の経験だけで、全身持久力の不足が唯一の原因だったとは判断できません。

③ 体力づくりのために、何をすればよい?

持久力を高める方法として、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどがあります。

ただ、小学生の娘に「持久力を上げるために走ろう」と伝えるだけでは、継続が難しいかもしれません。

そこで私が考えたのは、遊びの中に走る運動を取り入れることでした。

鬼ごっこを使った「HIIT風」の運動遊びを試してみた

今回取り入れたのは、短い時間の運動を繰り返すHIIT(高強度インターバルトレーニング)の考え方を参考にした鬼ごっこです。

HIITとは、比較的強い運動と、休息や軽い運動を組み合わせるトレーニング方法です。

ただし、小学生に本格的なHIITをそのまま取り入れることが適切かは、年齢や体力、運動経験によって異なります。

そこで今回は、運動強度を厳密に管理するのではなく、普段の鬼ごっこを利用しました。

ネド家で試した鬼ごっこ

実際に行った方法はこちらです。

  1. 公園で娘が先に走り出す。
  2. 5秒後に私が追いかける。
  3. 10〜15秒ほどで娘を捕まえる。
  4. これを5セット繰り返す。
  5. 週2回、約1か月続ける。

道具は必要ありません。

普段の鬼ごっこに、追いかけ始めるタイミングと回数を決めただけです。

短い時間でも走る動作を繰り返すことで、体力づくりにつながるのではないかと考えました。

なお、今回の鬼ごっこでは心拍数や運動強度を測定していません。

そのため、医学・運動科学の研究で扱われるHIITと同じ運動強度だったとはいえません。

あくまで、HIITの考え方を参考にした「インターバル形式の運動遊び」です。

1か月後、もう一度運動公園で走ってみると…

週2回の鬼ごっこを約1か月続けた後、再び運動公園で自転車に乗りました。

前回は、5分ほど走ったところで息を弾ませていた娘。

今回も5分ほど走ったところで、娘からこんな言葉が出ました。

「この前より疲れが少ない。今日はどこまででも走れるー」

前回と比べると、同じ5分ほどの段階で、疲れ方に違いを感じているようでした。

そして、さらに自転車をこぎ続けます。

しかし、12分ほどが経過すると、

「はあ、はあ、疲れた…」

やっぱり、ずっと走り続けるのは疲れるようです。

それでも、前回は5分ほどで疲れを訴えていたのに対して、今回は5分の時点では余裕を感じている様子がありました。

今回の娘の反応から、以前より連続走行に慣れてきた可能性が考えられます。

鬼ごっこで持久力は向上したのか?

ここは理学療法士として、少し慎重に考えたいところです。

子どもや思春期の若者を対象にした研究では、HIITが全身持久力の改善につながるという報告があります。

2024年に発表された複数のシステマティックレビューをまとめた研究でも、子どもの心肺持久力に対するHIITの効果が報告されています。

ただし、研究で実施されたHIITの方法と、今回のネド家の鬼ごっこは同じではありません。

また、娘の変化についても、鬼ごっこだけが理由とは限りません。

  • 自転車に乗る経験が増えたこと
  • 連続してこぐ動作に慣れてきたこと
  • 走行速度や環境が前回と異なっていた可能性
  • その日の体調や気持ちの違い

こうした要素も考えられます。

体力測定を実施したわけではないため、今回の経験だけで「全身持久力が向上した」と断定することはできません。

それでも、以前より疲れにくいと娘自身が感じたことは、親子にとって意味のある変化でした。

今後も鬼ごっこだけにこだわらず、さまざまな遊びや運動を通して身体を動かす経験を増やしていきたいと考えています。

小学生の体力づくりは、遊びから始めてもいい

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、子どもが日常生活の中で身体を動かすことを勧めています。

また、WHOのガイドラインでは、5〜17歳の子どもに対して、週を通じて平均1日60分以上の中強度〜高強度の身体活動を推奨しています。

ここでいう身体活動には、スポーツだけでなく、鬼ごっこや自転車などの日常的な運動も含まれます。

もちろん、毎日60分間走り続けなければいけないという意味ではありません。

いろいろな遊びや生活場面を通して、身体を動かす時間を積み重ねることが大切です。

家庭で試すなら、こんな工夫から

今回の経験を踏まえて、家庭で取り入れる場合には次のような方法が考えられます。

  • 最初は短い時間から。 子どもの体力に合わせて回数を調整する。
  • 休憩を十分に取る。 疲労が残ったまま無理に続けない。
  • 追いかける速さを調整する。 全力疾走を強制せず、遊びを楽しめるようにする。
  • 自転車も少しずつ。 連続走行の時間を急に増やさず、疲れたら休む。
  • 遊びに変化をつける。 鬼ごっこ以外にも、ボール遊びや散歩などを取り入れる。

ネド家では5セット実施しましたが、これはすべての子どもに推奨する回数ではありません。

その日の体調や運動経験に合わせて調整してください。

鬼ごっこや自転車で体力づくりをするときの注意点

鬼ごっこをする場合は、車や自転車が通らない、十分な広さがある場所を選びましょう。

周囲に人が多い場所や、段差・障害物がある場所での追いかけっこは避けます。

急な方向転換や全力疾走を繰り返すと、転倒や接触につながることもあります。

また、自転車ではヘルメットを着用し、サイクリングロードの利用ルールを守ることも必要です。

特に注意したいのは、子どもの疲労のサインです。

息が上がったら無理をさせず、休憩を取る。

暑い日には水分補給や熱中症にも注意する。

胸の痛み、めまい、強い息苦しさなどがあれば運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。

体力づくりは、疲れるまで追い込むことが目的ではありません。

まとめ|自転車の次の課題は、楽しく長く動ける体力づくり

自転車に乗れるようになった娘と、運動公園に出かけた今回の経験。

最初は5分ほどこぐと「思ったより疲れる…」と話していました。

そこで、週2回、約1か月間、鬼ごっこを使った運動遊びを取り入れてみました。

再び運動公園で走ったときには、

「この前より疲れが少ない。今日はどこまででも走れるー」

という言葉が聞かれました。

もちろん、12分ほど走ると疲れてしまいましたし、鬼ごっこだけの効果かどうかも分かりません。

それでも今回、私が改めて気づいたのは、自転車に乗れるようになった後にも、新しい運動の課題が見えてくるということです。

「乗れるようになったら終わり」ではなく、そこからどんな経験につなげていくか。

これからも娘と一緒に、無理なく、楽しみながら身体を動かしていきたいと思います。


参考資料

  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」こども版

コメント

タイトルとURLをコピーしました