「パパ、今日何する?」
日曜日の午後、小学1年生の娘から、いつもの質問が飛んできました。
せっかくの休日。何か一緒に遊びたいけれど、毎回新しい遊びを考えるのもなかなか大変です。
そんなとき、娘が学校から持ち帰ったものがありました。
それは、図工の時間に作ったという小さな紙のさいころ。
娘:「これを使って、すごろくがしたい!」
この一言から、わが家の手作りすごろく遊びが始まりました。
最初は普通のすごろくでしたが、途中からジャンプやボール投げのマスも追加。
気づけば、数を数えたり、身体を動かしたり、親子で笑ったり。2時間以上も遊んでいました。
今回は、そんな親子の実体験と、理学療法士の私が遊びの中で気づいたことを紹介します。
学校で作ったさいころから、すごろく作りがスタート
娘が持ち帰ったのは、1辺が3cmほどの紙製のさいころでした。
少しいびつな形ですが、自分で作ったことがうれしかったようです。
「これですごろくがしたい!」
そう言われ、A4用紙とサインペン、駒を作るための厚紙を用意しました。
市販のすごろくもありますが、今回はコースから自分たちで作ります。
娘が考えたマスは、大人の想像以上に自由だった
娘はA4用紙に、迷路のようなコースを描き始めました。
そして、一つひとつのマスに自分で考えたルールを書いていきます。
「歌をうたって1マス進む」
「隣の人とじゃんけんして、勝ったら3マス進む。負けたら2マス戻る」
えっ、隣の人まで参加するの?
普通のすごろくなら、止まった人だけが指示に従うことが多いですよね。
ところが娘のすごろくでは、隣に座っている人までじゃんけんに参加しなければなりません。
娘:「パパ、じゃんけんしよ!」
こうして、突然親子の勝負が始まります。
大人では思いつかないようなルールもあり、作っている段階から楽しそうでした。
駒も親子で手作り
すごろくの駒も、厚紙で作りました。
それぞれ自分の顔を描いて、立体的な駒にします。
娘の駒には、なぜか猫の耳。
そして私の駒には、娘が描いたほうれい線までありました。
娘いわく「ちょっと疲れてるパパ」だそうです。
そんなふうに見えていたのか……。
ちょっと複雑な気持ちになりましたが、これも手作りならではの面白さですね。

「5が出たー!」すごろくで数を数える娘
完成したすごろくで、いよいよゲーム開始です。
娘は自分で作ったさいころを振りながら、
娘:「次のマスは何かなー」
と、進んだ先が気になって仕方がない様子。
そして、さいころが止まると、
娘:「5が出たー!5個進むんだね。1、2、3、4、5!」
一つずつ数えながら、駒を動かしていました。
その様子を見て、私はふと思いました。
これって、ただのすごろくに見えて、いろいろなことを同時にしているな。
理学療法士パパとして気づいた3つのこと
① 数を確認して、駒を動かしている
娘はさいころの目を見て、数を声に出しながら、その分だけ駒を進めています。
数字と実際の移動を対応させる経験になっているのではないかと感じました。
2025年に発表された18研究のメタ分析でも、数字が直線的に並んだボードゲームには、子どもの算数に関する成績への小さな平均的効果が報告されています。
ただし、研究で使われたゲームは主に直線型です。今回のような迷路型の手作りすごろくに、同じ効果があるとは言えません。
算数が得意になると決めつけるのではなく、遊びながら数に親しめる機会の一つとして考えたいですね。
② 今いる場所と、次のマスを確認している
「次のマスは何かなー」
娘が繰り返していた言葉です。
曲がりくねったコースでは、今どこにいるのか、次はどちらに進むのかを確認する必要があります。
こうした場面には、位置関係を把握したり、進む方向に注意を向けたりすることが関わっていると考えられます。
もちろん、すごろくをしただけで空間認知能力が向上したとは言えません。
ただ、普段の遊びにも、身体を動かすときと同じように周囲の情報を確かめる場面があることに気づきました。
③ 自分でルールを考え、相手と遊んでいる
今回、特に面白かったのは、娘が自分でルールを作っていたことです。
決められた遊び方に従うだけではなく、どうしたら面白くなるかを考える。
さらに、相手の順番を待ったり、勝ち負けを受け入れたりする場面もあります。
数を数えることだけでなく、親子でルールを共有しながら遊ぶことにも、すごろくの面白さを感じました。
「パパも運動のマスを足すね!」すごろくに身体を動かす遊びを追加
娘が考えたすごろくを楽しんでいるうちに、私も少し工夫してみたくなりました。
私:「パパも2つマスを足すね!」
そこで追加したのが、
「ジャンプ10回」
「ボール投げ10回」
の2つです。
普段なら、ただジャンプを10回するだけで終わるかもしれません。
でも、ゲームのマスになると、少し雰囲気が変わります。
そして娘の駒が止まったのは、ボール投げのマスでした。
娘:「わー!ボール投げ10回のマスに止まったー!」
娘はさっそくボールを投げ始めました。
10回投げ終わると、
娘:「はあはあ、疲れたけど、次はパパの番だからサイコロ振ってー!」
疲れた様子はありましたが、もう次の順番が気になっているようです。
その姿を見て、私は少し驚きました。
身体を動かすことが、特別な練習ではなく、すごろくの一部になっていたからです。
理学療法士として普段から身体の動きを考えることはありますが、親としては、子どもがその活動をどう感じているかも大切にしたいところ。
「ジャンプの練習をしよう」と言われるのと、「ジャンプのマスに止まった!」という場面では、受け止め方が違うこともありそうです。
もちろん、ゲームにすればどの子も運動を好きになるわけではありません。
今回のわが家では、娘が楽しんでいる遊びに運動を加えたことで、無理なく身体を動かす機会を作れました。
スポーツ庁の小学校体育の資料でも、低学年にはさまざまな動きを楽しむ運動遊びが取り入れられています。
わが家でも、特別な練習だけでなく、普段の遊びの中で身体を動かす機会を作っていけたらと思います。
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勝ち負けで悔しくなる娘。ルールも親子で考え直した
もちろん、楽しいことばかりではありませんでした。
娘が考えたじゃんけんマスで、私が勝ったときのことです。
娘:「あーん、戻りたくないよ〜!」
さっきまで楽しそうだったのに、今度はとても悔しそう。
自分で考えたルールでも、実際に負けると納得できないことがあるんですね。
そこで今回は、
「特別に1回だけやり直しね!」
と、ルールを調整しました。
ただ、毎回負けた人だけがやり直すと、ルールが分かりにくくなってしまいます。
次に遊ぶなら、
「やり直しは1人1回までにしようか」
と、最初に親子で決めておくのもよさそうです。
ルールを守ることも大切ですが、どうすればお互いに楽しく遊べるかを考えることも、手作りすごろくの面白さだと感じました。
気づけば3周!2時間以上も楽しんでいた
1回ゴールすると、それで終わりではありませんでした。
娘:「次はここをおやつのマスにしよう!」
「ここは1回休みね!」
遊びながら、どんどん新しいルールが増えていきます。
気づけば3周。
なんと2時間以上、親子ですごろくを楽しんでいました。
A4用紙1枚と、学校で作った小さなさいころ。
特別なおもちゃを買ったわけではありません。
それでも娘は、自分で考えた遊びを何度も繰り返していました。
そして私自身も、娘が次にどんなルールを考えるのか楽しみになっていました。
家庭でも簡単!手作りすごろくの作り方とアレンジ
今回の経験をもとに、家庭でも試しやすい方法を紹介します。
用意するもの
- A4用紙または画用紙
- サインペンや色鉛筆
- さいころ
- 駒を作るための厚紙
- 必要に応じて柔らかいボール
最初から立派なものを作る必要はありません。
紙にスタートとゴールを描き、その間をマスでつなげるだけでも遊べます。
まずは子どもに好きなマスを考えてもらい、そこに親が少しアイデアを加えるのもおすすめです。
こんなマスを作ってみよう!
| マスの内容 | 楽しみ方 |
|---|---|
| 3マス進む | 数を数えて駒を動かす |
| じゃんけんで勝ったら進む | 親子で勝負を楽しむ |
| 好きな歌をうたう | 歌や表現を楽しむ |
| ジャンプ5〜10回 | 身体を動かす |
| ボール投げ5〜10回 | 投げる動作を楽しむ |
| 好きなマスを1つ作る | 自分でルールを考える |
小さい子ならマスを少なくして、一緒に数を数えるところから。
小学生なら「2マス進んで1マス戻る」など、少し複雑なルールを加えても楽しめそうです。
身体を動かすのが苦手な子なら、ジャンプを座って手を伸ばす動作に変えても構いません。
大切なのは、親がすべて決めずに、子どもが自分で考える余地を残しておくこと。
わが家でも、娘が考えたルールが一番盛り上がりました。
安全に遊ぶための注意点
室内でジャンプやボール投げを取り入れる場合は、周囲の環境を確認しましょう。
家具の角や滑りやすい床、照明、壊れやすい物には注意が必要です。
ボールは柔らかいものを選び、人や家具に向けて強く投げないようにします。
また、10回という数字にこだわる必要もありません。
子どもが疲れたり、嫌がったりしたら、回数を減らす、休む、別のマスに変えるなど、その日の様子に合わせて調整しましょう。
まとめ|手作りすごろくで見つけた、親子の遊びの面白さ
今回の手作りすごろくは、娘が学校から持ち帰った小さなさいころがきっかけでした。
数を数え、次のマスを考え、時にはジャンプやボール投げ。
途中で悔しくなってルールを変えることもありましたが、気づけば3周、2時間以上も遊んでいました。
理学療法士としては、数を確認することや、位置を把握すること、身体を動かす場面が気になります。
でも、父親として一番うれしかったのは、娘が自分で考えた遊びを何度も楽しんでくれたことです。
最初から何かを教えるつもりで始めたわけではありません。
娘の「これで遊びたい!」に付き合ってみたら、思いがけず楽しい休日になりました。
これからも、子どもの「やってみたい」を大切にしながら、親子で遊びを考えていきたいと思います。
皆さんのご家庭なら、どんなすごろくのマスを作りますか?
参考資料
※研究結果は、今回の家庭での手作りすごろくの効果を直接証明するものではありません。


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