子どもの芋掘り|スコップが深く入らないときの体重移動のコツ【準備編】

身体の使い方・怪我予防

「芋掘りでスコップがうまく刺さらない」「子どもが腕の力だけで掘ろうとして疲れてしまう」

そんなとき、身体の使い方を少し変えると掘りやすくなるかもしれません。

今回は、前回の芋掘りで大きなお芋を取れなかった小学2年生の娘と、理学療法士パパが公園で芋掘りの練習をしてきました。

この記事の要約

子どもがスコップを深く差し込めないときは、腕の力だけで押すのではなく、身体をスコップに近づけ、ゆっくり体重を移動させる方法が役立つことがあります。

ただし、力任せに深く掘るのが芋掘りの正解ではありません。実際の収穫では、芋を傷つけないよう周りの土から少しずつ掘ることも大切です。

今回の娘との練習は、こんな展開になりました。

スコップを深く差し込むコツが分かった娘。

ところが、何度か練習すると、今度は別の問題が出てきたのです。

「今度の芋掘りは大きいの取ってくる!」

ある日、娘がこんなことを言いました。

娘「今度の芋掘りは大きいの取ってくる。前は大きいの取れなかったから…」

前回の芋掘りが、娘の中では少し心残りだったようです。

そこでパパから提案。

パパ「じゃあ芋掘り練習行こうか」

娘「わーい。」

ということで、バケツとスコップを持って公園へ。

今回の目的は、芋掘り本番で少しでも上手に土を掘れるようになることです。

理学療法士パパとしては、まず娘がどんなふうに身体を使っているのか見てみることにしました。

スコップが浅くしか入らない!

パパ「前はどんな風に掘った?」

娘「こんな感じー。」

さっそく実演してもらいました。

ところが、スコップは地面に浅くしか入りません。

これでは土を十分に掘り起こせません。

娘の動きを見て、パパが最初に考えたのは、腕だけでスコップを押そうとしているのではないかということでした。

そこで、少し違う方法を試してみます。

腕の力から、体重を使う方法へ

パパ「こうやって体重をかけて見て。」

手首がぐらぐら動かないようにしながら、腕だけで押すのではなく、身体全体の重さを利用してスコップを押し込む方法を見せました。

娘にも真似してもらいます。

すると、

娘「これだと深く掘れるー」

おお、いい感じ!

腕の力だけで頑張るより、身体を使った方がスコップが入りやすかったようです。

これなら本番も期待できるかな?

そう思ったのですが……。

今度は「腕が痛い!」

何度か同じように掘っていると、娘が言いました。

娘「腕が痛い」

あれ?

さっきより深く掘れるようになったのに、今度は腕が痛くなってしまいました。

ここでパパは、身体の重さを利用していても、手や腕に力が入りすぎているのではないかと考えました。

そこで、もう一度姿勢を調整します。

パパ「手に力が入りすぎてるから、お尻を上げて、肩をスコップに近づけてみて。」

しゃがんだ姿勢から、お尻を少し上げ、肩をスコップの近くへ移動するように促しました。

パパも少し手伝いながら、もう一度挑戦。

すると、

娘「今は手がそんなに痛くない!」

今回は、こちらの方が楽に感じられたようです。

ただし、これはあくまで娘が今回感じた変化です。どんな子でも同じ姿勢が楽になるとは限りません。

それでも、スコップを深く差し込めることと、身体が楽なことは別なんだなと、親子で気づく練習になりました。

理学療法士パパが考えた、土を掘るときの身体の使い方

今回、娘と試した方法には、運動学や力学の視点から考えられるポイントがあります。

① 腕の力だけでなく、体重移動を使う

スコップで土を掘るには、刃先を土に押し込む力が必要です。

腕だけで押そうとすると、肩や肘、手首の筋肉を使い続けることになります。

一方、身体をスコップの近くに置き、体重をゆっくり移動させれば、腕の筋力だけに頼らず、下向きの力を加えられる場合があります。

ここで大切なのは、急に体重をかけないこと。

身体を勢いよく倒すのではなく、足元のバランスを保ちながら、ゆっくり押すことがポイントです。

② 肩をスコップに近づける

今回、娘が腕の痛みを訴えたときに試したのが、肩をスコップへ近づける方法でした。

腕を大きく伸ばしたまま押すよりも、身体を道具の近くに置いた方が、腕だけで姿勢を支えなくてよい場合があります。

また、手首を大きく曲げずに使うことも意識しました。

今回の娘は、しゃがんだ姿勢からお尻を少し上げることで、肩をスコップに近づけやすくなったようです。

ただし、お尻を上げすぎて腰を深く曲げたり、身体が前へ倒れそうになったりするのは避けたいところです。

お尻を上げること自体が目的ではなく、身体を道具に近づけて、無理のない姿勢を探すことが目的です。

③ 掘り返すときは「てこの原理」も利用する

スコップを土に差し込めたら、次は土を掘り返す動きです。

ここでは、てこの原理も教えてみました。

てことは、支点を中心に道具を動かして、力を伝える仕組みです。

スコップの場合、刃を土に差し込み、土や地面との接触部分を支えにして柄を動かすと、土を持ち上げたり崩したりできます。

ただし、小さなスコップで硬い土を無理にこじると、手首に負担がかかったり、道具が壊れたりする可能性があります。

少量ずつ土を崩し、無理な力が必要なら大人が手伝う方が安全です。

今回の練習では、深く差し込む動きと土を掘り返す動きを分けて伝えました。

実際の芋掘りでは「深く掘る」だけでは不十分

ここで、もう一つ大切なことがあります。

今回の練習で娘が身につけようとしたのは、土を掘るための身体の使い方です。

しかし、実際の芋掘りでは、強く深く掘ればよいというわけではありません。

JAさがなどの資料では、サツマイモの周囲の土をスコップで掘り起こし、芋を傷つけないよう手で丁寧に取り出す方法が紹介されています。

つまり、

  • まずは芋の位置を確認する
  • 芋から少し離れた周囲の土を崩す
  • 芋が見えてきたら手で優しく掘る
  • 無理に引っ張らず、周りの土を十分に取り除く

という流れが大切になりそうです。

スコップを深く差し込む方法を知ったからこそ、本番ではどこに、どのくらいの力を使うかを考える必要があります。

参考:JAさが「サツマイモ」

家庭で芋掘りを練習するなら

今回の体験から、家庭で試す場合は次のような方法がよさそうだと感じました。

1.まずは普段の掘り方を見る

いきなり正しい姿勢を教えるのではなく、普段どんなふうにスコップを使っているか観察する。

2.手首を大きく曲げず、身体を近づける

腕を伸ばしきって押すよりも、スコップの位置に合わせて身体の位置を調整する。

3.体重をゆっくり移動させる

腕だけで頑張るのではなく、無理のない範囲で身体の重さを利用する。

4.差し込む動きと掘り返す動きを分ける

一度に全部やろうとせず、まずはスコップを入れる練習から始める。

5.痛みが出たら中断する

「もっと頑張って」ではなく、休んでから姿勢や道具、土の硬さを見直す。

なお、練習は穴掘りが認められている砂場や私有地などで、周囲の安全を確認して行いましょう。公園によっては地面を掘ることが禁止されています。

また、小さなスコップで硬い土を無理に掘ろうとせず、大人が土をほぐすなどの調整も大切です。

まとめ|大きなお芋は取れるかな?

今回の芋掘り練習では、娘はスコップを深く差し込む方法を試すことができました。

最初は浅くしか入らなかったスコップ。

体重を利用すると、深く差し込めるようになりました。

ところが、今度は腕が痛い。

そこで身体の位置を少し変えると、

「今は手がそんなに痛くない!」

と話してくれました。

理学療法士として身体の使い方を考えることはできますが、実はパパ、芋掘りそのものの技術にはまだ詳しくありません。

土の状態や芋の場所によって、もっとよい掘り方があるはず。

もし芋を傷つけずに上手に掘るコツをご存じの方がいたら、ぜひ教えてください!

親子で参考にしてみたいと思います。

さて、準備をした娘は、本番で念願の大きなお芋を取れるのでしょうか?

次回は、実際の芋掘りの様子を紹介します。

お楽しみに!

泥団子編

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