「ご飯もイヤ! お風呂もイヤ! 宿題もやりたくない!」
小学生の子どもが、突然何もしたがらなくなることはありませんか?
わが家でも、小学1年生の時、娘が「全部イヤ!」と、何を提案しても動こうとしない夜がありました。
普段なら遊びに誘うと笑ってくれる娘も、この日は全く反応してくれません。
そこで私は、いつもの方法をやめて、娘の疲れに合わせた関わり方を試してみました。
この記事の結論
子どもが何もしたくないときは、無理に行動させようとする前に、体調や疲れのサインを確認することが大切です。
わが家では、娘の話を聞き、その日だけ食事や身の回りのことをいつも以上に手伝ってみました。
大切だと感じたのは、「できることを増やす」だけでなく、「疲れた日は手伝ってもらえる」という選択肢をつくることでした。

今回は、そんな娘との実体験と、理学療法士パパとして考えたことを紹介します。
「全部イヤ!」小1娘が何もしなくなった夜
いつもの声かけが全く通用しない
新学期や長期休み明けなど、学校生活のペースに慣れるのが大変そうな日がありました。
ある日、私が仕事から帰宅すると、いつもなら「パパおかえりー!」と飛んでくる娘が、どんよりした表情でリビングに座っていました。
夕飯も、お風呂も、明日の準備も進みません。
普段なら、
「いらっしゃいませ! 本日のディナーはこちらです!」
とレストランごっこをしたり、
「一番風呂への特急列車が発車しまーす!」
と誘ったりすると、笑いながら動いてくれることもあります。
ところが、この日は何を提案しても、
「いや」
「やりたくない」
の一点張り。
「これは相当疲れているのかな……」
そう思い、少し娘のペースに任せることにしました。
すると数分後。
娘はお気に入りのクッションを抱え、ソファに沈み込むようにしてウトウトしていました。
もう目がとろんとしています。
これは、単に遊びたくないという話ではなさそうです。
上級生について走って帰ってきた娘
私は娘の隣に座り、頭を撫でながら聞きました。
「今日、何か疲れることあったの?」
すると、娘がぽつりぽつりと話し始めました。
学校からの帰り道、近所の上級生のお姉さんたちと一緒に帰ってきたそうです。
ところが、お姉さんたちの歩くペースが速く、一生懸命走ってついてきたとのこと。
さらに、学校では新しい係の仕事もあって、気を張っていたようです。
なるほど。
身体も気持ちも、いろいろなことで疲れていたのかもしれません。
大人だって、仕事で気を張ることが続くと、帰宅後はソファで何もしたくなくなる日があります。
小学1年生の娘も、学校で頑張り、帰り道でも必死についていこうとしていたのです。
「そっかそっか、それは疲れちゃったね。上級生に追いつこうと、いっぱい走って偉かったね」
そう伝えると、娘は少し涙を浮かべながら、コクリと頷きました。
この様子を見て、今日はいつものやり方にこだわらず、できるだけ負担を減らしてみようと思いました。
もちろん、上級生に無理にペースを合わせて走る必要はありません。登下校の負担が続く場合は、安全面も含めて大人同士で考えたいところです。
疲れた娘に試した「パパのフルコース」
そこで私は、娘に宣言しました。
「よし! 今日はもう、小学生はお休み! 今夜だけ『園児』に戻る魔法をかけます!」
娘が小さかった頃のように、パパがお世話をする特別な夜です。
① 夕飯はパパが食べやすいようにお手伝い
普段は配膳を手伝い、自分で食べる娘。
でも、この日は私がおかずを取り分けました。
時には、
「はい、あーん」
と食べるのを手伝うことも。
娘は少し照れくさそうに笑っていました。
いつもは自分でやっていることも、今日はパパに手伝ってもらっていい。
そんな特別ルールです。
② お風呂はパパの美容室がオープン
次はお風呂。
普段は自分で頭を洗うことも多い娘ですが、この日はパパの美容室を開店しました。
「お客さま、痒いところはございませんか〜?」
そう言いながら、娘の身体や頭を洗うのを手伝いました。
お風呂に入っているうちに、少しずつ表情のこわばりが和らいでいくように見えました。
ただし、眠気や疲れが強いときは、無理に入浴する必要はありません。本人の体調と安全を優先したいところです。
③ 宿題はパパの膝の上で一緒に
そして最後の難関は、宿題のプリント。
普段は机に向かって取り組みますが、今日は特別です。
「1ページ、パパの膝の上」
私がソファに座り、その膝に娘を抱っこするように座らせました。
後ろから包み込むように、一緒に鉛筆を持ってプリントに取り組みます。
まるで幼稚園の頃、一緒に絵本を読んでいたときのようでした。
時間はいつもの倍ほどかかりました。
それでも、この日は文句を言わずに最後まで終えることができました。
もちろん、宿題を最後まで終わらせることが最優先とは限りません。
本当に疲れている日は、休息を優先し、必要に応じて先生に相談することも選択肢だと思います。
「ふふっ、最高だった」
歯磨きを済ませて布団に入る頃には、娘の表情も穏やかになっていました。
私は聞きました。
「今日はパパのフルサービス、どうだった?」
すると娘は、
「ふふっ、最高だった」
と笑顔。
私も何だかうれしくなりました。
「外でいーっぱい頑張って疲れた日は、いつでも園児に戻っていいからね。パパがいっぱいお世話してあげる」
そして、こう続けました。
「でも、明日は元気になったら、自分のことは自分でできるかな?」
すると娘は、小さな小指を差し出して、
「うん、明日は自分でやる。やくそく!」
と指切りをしてくれました。
その後、娘はあっという間に眠ってしまいました。
この夜に限っては、無理に頑張らせるのではなく、娘が甘えられる時間をつくってよかったと感じています。
理学療法士パパが考えた、疲れと甘えの関係
今回の娘の様子を振り返ると、私が気になったのは、身体の疲れと気持ちの疲れが重なっていた可能性です。
理学療法士としては、子どもの行動だけでなく、その前にどんな活動をしていたのかにも目を向けたいと思っています。
この日の娘には、次のような出来事がありました。
- 上級生の歩く速さに合わせようと走って帰った
- 学校で新しい係の仕事に取り組んだ
- 帰宅後、クッションを抱えて眠そうにしていた
- 普段は楽しめる遊びの声かけにも反応しなかった
身体を動かすことによる疲れに加えて、学校で気を張ったことも関係していたのかもしれません。
ただし、今回の様子だけで、疲れの原因をすべて特定できるわけではありません。
こども家庭庁も、環境の変化やストレスがあるときには、疲れやすさ、無気力、誰かに甘えたくなる気持ちなどが見られることがあると紹介しています。
また、子どもの気持ちを急いで聞き出すのではなく、本人のペースを大切にすることも勧めています。
私は今回、娘を「自分でできるのにやらない」と見るのではなく、「今日はどのくらい余裕があるのだろう?」と考えることが大切だったと感じました。
自立を大切にすることと、疲れた日に手伝うことは、必ずしも対立しない。
これが、今回の親子の経験から得た大きな気づきです。
子どもが何もしたくないとき、家庭でできる4つの対応
わが家の経験をもとに、家庭で取り入れやすい関わり方を4つに整理しました。
① まず体調と疲れのサインを確認する
いつもより眠そう、ぼんやりしている、食欲がない。
そんなときは、やる気の問題と決めつけず、体調を確認します。
疲れているようなら、静かに休める時間をつくることも大切です。
② 理由を問い詰めず、話を聞く
「どうしてやらないの?」
と聞くよりも、
「今日は何か疲れることあった?」
「何か手伝おうか?」
と声をかけてみる方法があります。
話したがらないときは、無理に答えを求めなくてもよいと思います。
③ その日だけ手伝うことを増やす
普段は自分でできることも、疲れている日は少し手伝ってみる。
食事の準備を減らしたり、翌日の持ち物を一緒に確認したり、本人が望めばそばに座ったり。
大切なのは、全部やってあげることではなく、子どもが今どんな助けを必要としているかを考えることです。
「手伝ってほしい? それとも少し休みたい?」
そんなふうに、本人に選んでもらうのもよさそうです。
④ 宿題や準備の負担を調整する
疲れているのに、いつも通りのペースで進めようとしても難しい場合があります。
そんな日は、
- 先に少し休む
- 親子で一緒に準備する
- どうしても難しいことは翌日以降に調整する
といった方法も考えられます。
生活リズムを大きく崩さないようにしながら、必要な休息を確保したいところです。
疲れが長引く場合はどうする?
今回の娘は、その夜、穏やかな様子で眠りにつきました。
ただし、すべての「何もしたくない」が一時的な疲れとは限りません。
眠れない、食欲が落ちている、頭痛や腹痛が続く、学校に行きたがらないなど、普段と違う様子が続く場合は、本人の話を聞きながら学校や医療機関などに相談することも大切です。
特に、強いだるさや反応の悪さなど、明らかな体調の異常があるときは、その日の体調を優先して医療機関に相談してください。
まとめ|小学生だって甘えたい日がある
娘が「全部イヤ!」と動かなくなった夜。
最初は私も、どうすれば動いてくれるのかと考えていました。
でも、娘の話を聞いて気づいたのは、すでに学校や帰り道で一生懸命頑張っていたということでした。
その日は、頑張らせるより、少し手伝うことを選びました。
自分でできることが増えても、疲れた日には甘えていい。
そんな場所を家庭の中につくっておくことも、大切なのかもしれません。
もちろん、毎回すべてを手伝う必要はありません。
わが家の「園児に戻る作戦」が、すべてのお子さんに合うとも限りません。
それでも、もしお子さんが「もう何もしたくない」と言ったら、まずはその日の頑張りに目を向けてみてはいかがでしょうか。
ご家庭での「疲れた日の特別ルール」があれば、ぜひコメントで教えてください。
参考資料
- こども家庭庁「しんどいな、ゆううつだなと感じた時に」(2026年8月10日)
https://kodomo-gov.note.jp/n/n1d42f844ce1b - 厚生労働省「話を聞くときのポイント」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/mental/ftf/ftf_02.html


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